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すまいる生活エッセー
第4回
住宅取得のマクロ環境が大幅改善・楽しいマンションやニューコンセプトプランなどに関心があつまっている


 イラク戦争がはじまり、原油高がうわさされている。さらに一向に改善しない景気に追い討ちをかけるように税金や医療費が上がって、心の不況感が強まっている。しかし、楽しい企画マンションやニューコンセプトマンションには、多くの人々が関心を寄せていて、明るい兆しもみえている。


 琴似義士伝


 先々号で壬生義士伝の話を書いた。「義」に生きた新撰組隊士吉村貫一朗を主人公とする浅田次郎の歴史小説で、新撰組で一番強かった吉村という南部出身の侍の物語である。この小説、プロジェクトXほどではないにしろ、中年男達の涙を絞り、酒場の話題になっている。


 先日久しぶりに琴似の居酒屋で旧友達と飲んだが、話題がやはり壬生義士伝に及んだ。酒が進むとともに、皆徐々に「義」に生きる吉村貫一朗になっていった。興に乗って「もう一軒」という運びになり、支払いに行くと、御代はもういただいていますというのである。中年たちは狐につままれたようになり、お互いに確認するが誰も払っていない。レジの記録には、入金済みとなっている。我々は払うというのに、店側は受け取れませんというのである。何を間違えたか飲み代がただということである。まあ、普通であればありがたい話なのである。だがわれわれはもはや普通の中年ではない。すでに心は義士になっているのである。


 見かけは普通か、あるいは少し疲れた中年ではあるが「こころ」がすこぶる違っていた。義によって呑んだ御代は払わねばならぬのである。間違って多く払った人に返金し、我々から御代を受け取るのが筋である、と食い下がって引っ込まない。特に背の低い失業中の初老の男は滔々と正論を説いている。レジ付近には、義が渦巻いていた。義に生きる中年酒飲みが、筋を通そうとしていた。それはまるで琴似義士であった。


マンションに楽しさを加えたアクアスプリングス札幌 <



 例によって意外な展開で始まる本欄だが、本筋に戻そう。今回の「すまいる会議」では、札幌市内で話題のマンションを供給し続けているダイア建設の綱淵部長にお話をうかがった。この三月に供給した東区の「アクアスプリングス札幌」には、なんと千六百組もの人々がモデルルームに訪れたという。天然温泉(提携温泉からの運び湯)の大型浴場と屋上プールがついたインナーリゾートという企画がうけて、大型物件にもかかわらず一二九戸一0一戸が売り出し月の三月中に成約した。


 同社はこれまでも様々な企画マンションを投入し、短期間完売を続けている。マンションという集合住宅ならではの共有施設部分に企画力あふれる提案を付加して、住宅商品に「楽しさ」という価値を増加させた。大型の共有施設があると維持・管理のコストが心配だが、同社のノウハウで、低額に抑えているという点も好感されているようだ。マンションが進化しているという感がある。


 さらに先々月号で対談した新日鉄都市開発が供給している「グランリビオ宮の森」は増加する「二人」家族に焦点をあてて、百平米クラスの一LDKや二LDKタイプの新しいコンセプトの間取りを提案している。ここも短期間に三百組を超える集客があり話題を集めている。ホテルのスィートルームを手本としたスィートスタイルが建築コンセプトだ。

マンション取得の環境が大幅に改善


 ちょうどマンションをめぐるマクロ環境が変化している時期である。相続税制が大幅に緩和され、登録免許税も安くなった。金利も最低金利に近づき始めて、環境は極めて良好だ。見た目は同じマンションでも「なかみ」が違うマンションに人々の関心が集まり始めて、マーケットは少し明るくなってきた。


 ちなみに冒頭の琴似義士達は結局引き下がったのであるが、筆者は「間違いあればご連絡を」と武士のごとく名乗りを上げて名刺を置いてきた。翌日、くだんの店からあっさりと「当方の間違いでしたのでお支払いください」という明るい電話がかかってきた。


 
(不動産市況アナリスト 志田真郷)
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