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すまいる生活エッセー
第11回
超都心立地とタワー物件が競い合う二千四年のマーケット


 札幌市内の分譲マンションの時代の変わり目を明確にしたのが道庁前(住友不動産)と大通り西八丁目(セントラル興発)と九丁目(住友不動産・東急不動産)に相次いで供給された分譲マンション。超都心に供給されたマンションは、マンションマーケットの領域を一段大きく広げた役割を果たした。今年のマーケットを牽引するのはどんな需要だろうか。


 時代の変わり目には憂き世をしゃれのめすバラエティーが流行る


 「雨は夜更け過ぎに雪へと変わる」というクリスマスソングのメロディーを「兄は夜更け過ぎに雪絵に変わるだろう」と歌い替えながらオカマバーの映像を流すというようなことばかりをやっていたのが「ボキャブラ天国」というテレビ番組だった。制作費が格安な人気番組で九十二年十月から約一年続いた。知的バラエティ番組の元祖だ。


 時代背景を探ると、前々年には湾岸戦争があり、前年にはソ連が崩壊している。翌九十三年には自民党政権が崩壊して細川政権が誕生した。いわば時代が大きく変化する過程で誕生した番組である。バブルがはじけて戦争も始まって混乱感が極まりつつある世情の中で、浮世つまり憂き世をしゃれのめして楽しむという番組だったといえるだろう。江戸末期にはやった「ええじゃないか」のようなものである。崩壊するものと始まるものとが交錯する混乱期に「グチャグチャいわんと、のみなはれ、酔いなはれ」ののりである。それが最近の「トリビアの泉」に受け継がれ、なおかつ、「ボキャ天」自体が再放送されているらしい。



 つまり、最近また、時代の変化の兆しがテレビという現代紙芝居に反映され始めているのではないかという気がしてならない。さて、二千四年、今年は一体どうなるのであろうか。昨年末に飲んだ仲間内では、「へぇー」ではなく「はぁ?」を連発された奴がいた。頓珍漢な時代にならないようにしなければ。


札幌のマンションマーケットを変えた「道庁前」と「大通り」


 今回のすまいる会議は四ページへの拡大バージョン。住友不動産の神谷北海道事業部長に登場願った。住友不動産は対談中にも触れているが札幌市内のマンション供給戸数ではナンバーワンクラスの実績を続けている。中央区の物件が多いから、販売額ではトップといっていい。従って住友不動産の供給動向は札幌のマンションマーケットを左右するものになる。それが昨年は「道庁前」と大通西九の「レジデンスタワー」の発売によってひとつの「頂点」に達した感がある。今年はさらに北一西二十六に二十八階建てのタワー物件を供給するところから始まる。



 道庁前も大通りも、マンション立地としては「超都心」といえる。従来のマンション立地の概念では考えられなかった場所である。いわば「ホテル」の立地条件である。そこにトップブランドが供給することによって、札幌市内のマンションマーケット自体が一段階マーケットを広げたという感がある。



リタイア世代とワーキングウーマンがマーケットをリードする



 さらに昨年は単身女性に好評を博したマンションも登場した。また、六十以降のリタイア世代が都心マンションを求める傾向も現れている。



 今年はそういう傾向により拍車がかかっていくだろう。リタイアメント世代やワーキングウーマンの中に、新しい都心マンションを求める人々が増え始めている。新しい生活にチャレンジする「自分」を持ち、「パイオニア精神」を持っている人がそういう世代に多いからだと思う。供給側も新しい立地に新しいプランニングでパイオニア精神にあふれるマンションを供給していってほしいものだと思う。



 新しい船に乗って新しい海に漕ぎ出す人々が増え、希望あふれる年にしたいものだと心から願っている。





(不動産市況アナリスト 志田真郷)
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