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すまいる生活エッセー
第1回
銀行も市町村も合併する「大変化」時代。家族の形態も変化している。だから住まいも変化する。


 不況が続き、デフレが深刻化し、物価も地価も下がっている。金融機関や大企業が合併時代を生き抜いて、名前も変わり、システムも変化している。世の中の何もかもが十年前の尺度とは違う尺度で動き始めている。実は家族の形態も変わっている。標準世帯といわれる四人家族が減って、二人世帯や単身世帯が随分増えている。だから住まいも変わり始める。


 十年間で核家族は四人から三人、二人に


 二千年の国勢調査によると、札幌市内の一般世帯数約七十六万世帯中、一人世帯は三十四パーセントで最も多く、続いて二人世帯で二十七パーセント。六十パーセント以上が一人ないし二人の世帯ということになっている。

一方、標準世帯といわれる四人世帯は、十五パーセントに過ぎない。五人以上の世帯はわずか五・四パーセント。多人数家族が毎年減り、四人が三人に、三人が二人へと家族の人数が減り続けてきた。平成二年には、三人よりも四人世帯が多かったのだから、この十年間に「家族のかたち」が大きく変わってしまったということがいえるだろう。
住まいは四人家族用の四LDKが最も多い


 一方住宅の間取りで言うと、四LDKが最も多い。札幌市内で供給されている分譲マンションで見ると、圧倒的に四LDKと三LDKで、この二つのタイプが全体の九十五パーセントを占めている。このNLDKのNは、個室の数。夫婦寝室が一つだとすると、四LDKは、五人家族が住む形態だということになる。一室はたいてい和室で、客間のような扱いになっているから、実質は四人家族が四LDKに住むということだ。

 家族数が少なくなっているというのに、四人家族用の住宅がたくさん供給されているのは一体どういうわけなのだろう。


三十から四十五歳の人に住宅が売られている


 理由の一つは住宅を売る側が、世帯主が三十歳から四十五歳くらいの家族に向かって住宅を作っているからだ。この人生における十五年の期間に持ち家率が借家率を上回る時期が訪れる。住宅取得適齢期といわれるこの年齢では、子供二人ないし一人という家族数が一般的だから、住宅供給側では、子供たちと楽しく暮らす住まいのイメージを振りまきながら住宅を売るのだ。


 もう一つの理由は住宅ローンが二十五年とか三十年にセットされているため、定年から逆算するとこの年齢に住宅を建てなければ間に合わない。だからこの年齢のときに住宅を建てることになる。その結果世の中には四人用の住宅ばかりが蓄積されることになる。


今の家族にあう住まいが見当たらない


しかし、人生八十年という高齢時代を迎え、三十で結婚、五十五で子供が就職ということになると、子育て期間を二十五年と計算しても、残りの二十五年間は夫婦二人かあるいは、一人暮らしだ。一方、若年未婚率が上昇していて、三十代の「子供」が親と住む形も増加している。俗に言う「パラサイトシングル」が増えている。そういう、おとなが三人で暮らしたり、夫婦二人だけで暮らしたりする家族形態がずいぶん増えているのに、住んでいる住宅は、「子育て時代」に建てた住宅ばかり。


 従ってリフォームがはやることになった。また、新築マンションでも、購入時に間取りを四LDKから二LDKに作り変えるケースが激増している。


 そろそろ、本格的な「小家族」用の間取りをそなえた「脱NLDK」プランの住宅が新築のメインになってもいいはずだと考えている。


(不動産市況アナリスト 志田真郷)
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