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2005年2月巻頭言

札幌一極集中が進んだ16年


札幌市の住宅着工が50パーセントを超えた・・・


 16年の住宅着工数がまとまった。北海道全体では前年比マイナスで、札幌市は6.8パーセントのプラス。札幌市の北海道全体に占めるシェアが50パーセントを超える「札幌一極集中」の結果となった。全体でも町村部の停滞が目立つが、都市部でも、函館、帯広が大きく減少し、札幌市と苫小牧が増加している。


 函館では持ち家と貸家が大幅減、帯広では貸家と分譲の大幅減が見られた。苫小牧では貸家と分譲が増加した。


 札幌市では持ち家が堅調に推移して前年比6.2パーセント増加した。貸家も6年連続の増加で15000戸に迫る勢いだった。


 各地方都市では人口減少が始まっているが、札幌市では依然人口増加が続いていることがこのような「札幌一人勝ち」現象の背景にある。ただ、地方都市でも世帯数の増加が見られており、そのことが着工数の底上げの要因になっていないことがうかがえる。地方都市の世帯数の増加は、高齢化とともに起きている現象だが、このような世帯数の増加が住宅着工とリンクしていないとなると、リタイアメント組みが、札幌市へ集まってきている傾向があるのかもしれない。分譲マンションでは、明らかに、そのような傾向が成約動向から感じられるが、住宅着工全体でもそのようなことが起きているとすると、今後の地方都市の住宅建設はかなり苦戦が続く可能性が高いと考えられる。

貸家は6年連続増加


 一方貸家は、札幌市において相変わらず堅調で、バブル崩壊後の最高戸数を記録した。10年に大きく落ち込んで以降、毎年順調に回復し、ついに15000戸目前のところまで増加してきた。


 札幌市の人口の増加数はほぼ、年間12000人前後の増加で推移しているが、この程度の人口増と世帯数の増加傾向から見ると、年間23000?25000程度の住宅着工動向が続いていくのかもしれない。


 札幌市の人口が増加しているが、社会増のウェイトが高まっている・・・<


 人口・世帯数分析と住宅着工数の分析とから、今後の住宅着工の傾向を見ていくと、一定の幅を持った大雑把な予測ができる


 人口の自然増は、今後急速に少なくなっていく。出生数の停滞と高齢者の死亡とが同時に発生していくので、増加していく傾向には無い。


 社会増については、増減があるものの、一定数の増が続いており、最近では8000から9000人前後の社会増が確認されている。自然増が期待できない状況下では、社会増の動きが人口の傾向を決定する要因として大きなものになっていくということである。


 北海道全体として人口が減り始めている中で、当面、札幌市が人口増を続けていくということは、当然にも社会増が続くということであり、道内では、他都市から札幌市への転入が続くということである。この転入が、進学や転勤によるもの以外に、住宅取得という要因として選択されていくとすれば、札幌市の住宅着工のウェイトが今後も増加し、札幌市の一人勝ち現象が今後も続いていくということになる。


 当面団塊世代のリタイアメントが始まる07年前後がその傾向を占う大きな試金石となる。 16年の着工動向は、そのような傾向を示しているのかどうか、16年の人口動態の分析とあわせて、詳細の分析を待ちたい。

2005年2月
       不動産市況アナリスト 志田真郷


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