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2005年6月巻頭言

6月7月はだめだといわれてきたマンションマーケット 今年は発売数も多く、変化に期待


6月はイベント余波でマーケットは停滞という説が


 札幌の分譲マンションマーケットでは、ここ数年6月7月は成約が少ないどころかモデルルームへの来場自体が少なく、「初夏枯れ」の状態が続いてきた。理由は、市内でほぼ一斉に開かれる小学校の「運動会」、さらに「ヨサコイ」「札幌まつり」などのファミリーが動員されるイベントが多く、ファミリーの住宅需要が顕在化しにくいということである。


 今年も、それを見越して、6、7月慎重説か聞こえている。しかし、建築計画、販売予定などから各月400戸を超える供給が見込まれており、定説打破に向けて供給各社の意欲は高い。一方で、ファミリー向けとはいえない物件も増えていることから、新たな流れを作り出して行きたいものだ。


マンション販売の告知手法の見直しが求められてきている


 それに加えて、最近ささやかれているのは「チラシ」の効果がかなり低下してきているという声だ。かつては新聞広告がマンション販売の告知手法の基本だった。しかし、マンションが「地域商品」であるという認識が定説化されていく中で、広域媒体である新聞よりも効率がよく、費用が低廉な「折込チラシ」に告知手法がシフトしてきた。大手デベロッパーの中には、一切新聞告知を行わないところも出てきている。それが最近チラシの効果がかなり低下してきているという声がしきりだ。「最近は1万のチラシに対して来場が1」という声もある。10万枚撒いて10人の来場ということだ。現在のモデルルーム来場に対する契約の「歩留まり」は約10パーセント内外とされているから、10万枚で1契約ということになる。


 このため、インパクトのあるチラシ作りに各社が躍起となり、効果の上がる表現方法に腐心している販売会社が多い。


  一方では、成約者の多くはホームページでいくつもの情報を確認し、それからモデルをチェックするという方向に行動が変化しているとも言われている。


ユーザーのアクションを起こさせるプロモーション戦略の再構築の時期


 また、これまでも取り上げられてきたが、マンションセミナーへの来場はあい変わらず多い。チラシ、モデルというこれまでの客の動きに大きな変化が見えてきているといえるだろう。

モデルの作り方にもいくつかの疑問がある。明らかにどこかで見たものが多いのである。まさか、エリア物件だから、チラシ主体の告知では、多くの物件がユーザーの目には伝わらないと見ているからではないだろうと思われるが、ほとんど同じ「明るいリビング」「豪華なリビング」のコンセプトを感じさせるCGや写真が多く、違いがよくわからないのである。それが間違いとは思わないが、どれも同じ印象だと、モデルへ行こうという動機を起こさせるには、インパクトが足りない状況になってきているのだろう。 。


 マンション需要がこれまでのファミリー一辺倒から変化し、多様化していること、ホームページ閲覧率が高まっていること、セミナーなどへの関心が高いことなど、マンションマーケットの変化をユーザーは敏感に感じて、行動を変化させてきている。


 今年は、供給戸数が例年に無く多いマンションマーケット。今後の計画を見てもタワー物件や大型開発が目白押しで控えている。新しいプロモーション方法の確立を目指す時期に来ていることは明確である。多くのデベロッパー、販社に新しい動きが出てくることを期待している。
2005年6月
       不動産市況アナリスト 志田真郷


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